任意団体を法人化しようと考えている方向け
・学生団体を運営していて法人化を考えている人
・学生団体を法人化する時は何から考えればいいか悩んでいる人
・法人化した時のメリットとデメリットを知りたい人
・学生団体を法人化する時に困った体験談を聞きたい
これらの疑問に答えていきます。
本記事の内容
●学生団体とは
●学生団体を法人化するメリット
●学生団体を法人化するデメリット
●学生団体を法人化するために必要なこと
●学生団体を法人化する懸念事項
●法人化する時に必要なサービスは?
●NPO法人と一般社団法人はどちらが良い?
この記事は、活動を継続するために学生団体を法人化するか迷っている人の参考になれば嬉しいなと思って書いています。
また、学生団体を法人化することで、どんな良いことがあるのか経験をもとに具体例を挙げて書いていきます。
わたしは大学2年で任意団体(学生主体の団体)にボランティアとして参加しそこから大学を卒業して2016年に一般社団法人を設立して運営しています。
大学生の時に思っていた法人化の印象と卒業してからの捉え方の違い等、これから法人化を検討している団体さんの参考にしてもらえればと思います。
Contents
学生団体(任意団体)とは
まず、学生団体という言葉に正確な定義はありません。
学生団体とは、大学生が中心となって活動している団体です。
サークルや同窓会と学生団体の違いは、団体の目的が団体の内部にあるのか、外部にあるのかの違いです。
補足:任意団体とは?
NPO法人や一般社団法人等の法人格をもっていない団体のことです。そのため、学生団体も任意団体の中の1つになります。
学生団体を法人化する3つのメリット
①「社会的信用」を獲得できる。
学生団体(任意団体)は学生が中心となって活動しているため、「学生さんだからね。」「まだ若いからね。」と言われ信頼されない場合が多くあります。
ぶっちゃけうざいですよね。学生でも関係ないだろ。
目的達成のためにやってる主体が学生だとか言ってるのはナンセンスだろ。と思ってるかもしれませんが何か問題が発生した場合の責任の所在がわからないことに不安材料があります。
しかし、学生団体(任意団体)から法人格を取得することで、団体としての社会的信用を得ることができます。
補足:社会的信用とは?
何かあった場合の責任の所在が法的に明確になっていること。目的達成のために必要な事務手続きをしていることなどが社会的信用に繋がるのだと思います。(法人化すると事務手続きが結構大変。必要書類が増えます。)
②対等な関係を作れる
企業や社会人はパワーバランスを意識してきます。
また、いかにマウントを取られないようにするかがとても重要になってきます。
学生の時のようにフラットな関係で話をする土台を作るためにも法人格は有効になります。
経験談
(法人化前)
「任意団体(学生団体)で活動してます。」
「へぇー若い時にしか出来ないね。」
(法人化後)
「法人で事業をしています。」
「法人を運営されているんですね。どんな事をされてますか。」
細かな違いですが興味を示してくれる人が増えます。
※同じ事をしていても法人格があるとないとでは相手の対応が変わります。
※この程度で変わってしまう人を相手にしない。という考え方もありですが、法人格を取得するだけで得られることなので取得すれば良いと思います。
③継続意思を示すことができる
学生団体(任意団体)の場合には、後輩がいない場合には、活動の継続が難しくなります。そのため恩恵を受ける側は、いつ活動が終わってしまうかわからないという不安が常に残ります。
しかし、法人の場合には、簡単にやめることができません。活動は直ぐに辞められたとしても解散手続きや、何かしらの財産が残ってる場合には、その財産をどうするか等を考えなければいけません。
そのため法人化して活動するということは、受益者に対して活動を継続します。
という意思表示をすることができます。
学生団体を法人化するデメリット
①事務作業が大変
私は一般社団法人を設立し運営しています。
定款の作成、認証、登記書類の作成、法人の印鑑作成、社員・理事の就任承諾、社員総会の議事録作成、所得税の処置書類、青色申告書類の作成・提出、銀行口座の開設、事務所契約、ドメイン取得、サーバー契約等
様々なことが必要になります。
事業計画書の作成や社員総会、理事会の実施、経理作業、決算書の作成、税務申告書の作成等
やらなければいけないことが沢山あります。
そのため、それぞれの資料作成等が必要になりますので、学生団体(任意団体)の時には必要ない事務作業が必要になります。
またNPO法人の場合には、更に手続きが増えてしまいます。
(法律で定められている手続きも沢山あります。)
学生団体を法人化するために必要なこと
●名称
●所在地(事務所の場所)
●目的
●役員、代表者
●組織体制
●事業内容
※名称や代表者の決定等はぼんやりとわかるかもしれませんが、事務所はどこにするか。マンションの一室なのか。バーチャルオフィスやシェアオフィスなのか。など意識していなかったことの決定に時間がかかります。
また、一度定款に定めてしまうと変更するためには、総会を開催し、法務局に登記する等の手続きが大変になりますので、事前に作戦を練ることが必要になります。
学生団体を法人化する3つの懸念事項
①創設者とメンバーのギャップ
学生団体で活動を継続していると創設者は、卒業して社会人になります。一方で活動するメンバーは大学生です。そのため、創設者(社会人)が考える法人化とメンバー(学生)が考える法人化についてのギャップがあります。
ここをどのように埋めて行くのか。スピード感を持ってやりたい社会人と全員が納得するまで進めたくないメンバーの間でどう進めていくのか。こちらの折り合いをつけてやっていく必要があります。この時にやめていく人もいますね。
②目的(ビジョン)重視と手段(活動)重視
活動を始めた人(創設者)にとって活動をすることは、目的達成のための手段になります。しかし、活動を知って集まってきたメンバーは活動をすることが目的になりがちです。参加して活動することが目的になってしまいますので、目的・ビジョンをすり合わせることが必要です。
私たちの団体では、参加の段階にハードルは設けていませんが、事前に説明会やオリエンテーションを実施して団体の目的やビジョンについて100%の情報を伝えるようにしています。
目的等を共有して、共感して入ってきたメンバーには、その選択に対しての責任を持って活動してもらっています。
③目標達成のめの継続と自分達が使われることへの恐怖
学生団体(任意団体)を法人化する目的の1つとして、目的達成のために持続的な活動をするために、人件費を設定して自分の人生も成り立たせながら、事業をすることが必要になります。
しかし、学生団体(任意団体)の時に人件費を支払っている団体は少ないと思います。そのため人件費を設定する時には、かなりの反対があると思います。そこをどのようにクリアしていくことか考えることが必要になります。
学生団体を法人化する時は、NPO法人と一般社団法人はどちらが良い?
団体の目指す姿と状況によって変わります。
学生団体(任意団体)の活動の場合には、非営利活動が多いと思います。そのためNPO法人や一般社団法人(非営利型)の選択になると思います。
それぞれ、メリット・デメリットがありますので、
詳しくは、こちらをご覧ください。
学生団体が法人化する時に便利なサービスとは?
法人を設立するためにも様々な手続きが必要になります。
事務作業にかかる時間を削減することで事業に割ける時間が増えて、課題解決までの時間が早まります。そのため、団体の財源に多少の余裕がある場合には、サービスを活用しましょう。
定款の作成、提出
自分で作成から提出まで行うことはできます。その場合には、費用はかかりませんが、修正等で時間がかかります。時間をかけずに的確に作成したい時は、行政書士に依頼することをオススメします。
また、行政書士は書類作成はできますが、提出はできないので、費用がほとんど変わらない司法書士にお願いすることも手です。
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事務所の契約
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印鑑の作成
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銀行口座の開設
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まとめ
学生団体(任意団体)を法人化するメリット・デメリットについて解説してきましたたが、学生団体(任意団体)と設立した法人は別団体です。名前や事業内容が同じでも別の団体になります。以外に分からない人もいると思い最後に書きました。
後は、自分たちの目的に応じて活動のしやすい法人格を選択すればいいと思います。
別の記事で、NPO法人と一般社団法人の違いやNPO法人とは何かの記事を書きましたのでそちらも合わせてご覧ください。