こんにちは。谷田川雅基(@11as093)です。
今、NPOで何かと話題の
「休眠預金」について
仕組みと今どのような議論が
行われていて、今後どうなって
いくのかご紹介します。

休眠預金とは、
残高が1万円未満で10年以上
取引がない預金口座のこと。
例えば、
持ち主が、亡くなってしまった。
持ち主が、忘れてしまっている
など理由はさまざま。
毎年1200億円が休眠預金になり、
そのうち500億円は、持ち主からの連絡で
返えされるようですが、
残りの700億円はこれまで、
銀行の利益となっていました。
個人の預金が取られてしまう?

休眠預金がNPO法人などの社会貢献団体に、
流れる話が出る度に、
「個人(民間)が国に奪われるのか?」
「NPO法人に奪われるのか?」
という人がいますが
「奪われません」大丈夫!!!
実際に銀行に対して申し出れば、
お金は返金されます。
また、国が奪う訳ではなく
社会貢献活動をする団体に資金が
回ることで、最終的には社会に還元されます。
・国
これから、多様化、複雑化する
社会課題に対して、
NPO法人等の社会貢献活動に
資金を流すことでどんな効果があるか
検証するための社会実験と位置付けています。
・銀行
休眠預金の管理に膨大なコストが
かかっています。
費用対効果を考えると、
手から離れた方がいいのかもしれない。
・NPO
これまで資金獲得が難しい
課題を扱っている団体にお金が
流れることで、社会課題が解決に向かう。
懸念されていること

そんな休眠預金の議論の中で、
懸念されていることがあります。
・成果重視で休眠預金が使われること
NPO法人の取り組む課題によっては、
成果や指標がわかりにくい分野があります。
そのため、測りやすい団体に、
資金が流れるのではないか。
といった懸念が議論されています。
例えば、
就労支援をしている団体
対象者に対して、研修会を開催
↓
100人が研修会に参加
↓
参加した100人のうち20人が実際に就職
以上のような流れの場合には、
事業を行なった結果(参加人数)と
成果(就職した)がわかります。
しかし、
子どもの課題に対して取り組んでいる団体
子ども向けに職業体験会を実施
↓
100人が体験会に参加
↓
参加した100人のうち20名が
体験会から10年後に希望先に就職
この場合には、
子どもが職業体験に参加してから、
成果(何人が希望の職業に就く)が出るまでに
時間差があります。
そのため、
長期的かつ成果がわかりにくい団体には資金が流れず、
短期的で成果がわかりやすい団体に資金が流れ込むのではないか。
といった懸念を持っている人や団体が多くいます。
今後の流れ
現在は、実際の運用に向けて資金活用団体
(全体を管理する団体)を募集を締め切り、
今度の運用ルール等を法律に基づいて、
設定していくことになります。
来年(2019年)の秋頃には、NPO法人に
資金が提供されていくことになっています。
そこまで、議論は継続されて行くことになると
思います。
まとめ

今後の流れを見越して
団体内で取り組む課題の成果とは何か議論し、
成果に基づいた目標を立て、事業を実施して
課題解決に向けて最適な団体(事業)を目指しましょう。
そのため、休眠預金についてのアンテナを張りつつも、
休眠預金をきっかけに、団体内で議論してみては、
いかがでしょうか?
休眠預金の懸念事項について
わかりやすく紹介してる動画が以下となります。
間延びしているところもありますので、
倍速、飛ばしながら視聴することをお勧めします。